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「夢」にともなう行動ではない夢遊病
皆さんご存知のとおり、睡眠は「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(浅い眠り)」との睡眠サイクルによって構成されています。
一般に、ある程度ストーリー性を持つ印象に残る夢というのはレム睡眠時に見ることが分かっています。
一方、夢遊病を睡眠ポリグラフ(睡眠障害の診断に用いられる検査の一つ)で記録したところ、こちらはノンレム睡眠の段階3から4という深い睡眠時に発生していることが分かりました。
行動中に声をかけても目を覚まさないことの多い夢遊病ですが、夢とは関係なしに歩きまわっていると考えられています。
ちなみに、ノンレム睡眠のステージ3と4とは、入眠後およそ1~3時間に集中して現れます。
夢遊病=睡眠時遊行もこの時間帯の発生が多く、目は開けているものの深い睡眠のままだといいます。
睡眠時遊行は大体1回あたり15分くらい続きますが、まれに30分ほどの場合もあるそうです。
睡眠時遊行が終わるころには自分のベッドに戻って再び眠りにつき、翌朝目覚めてもほとんどの場合その時のことは覚えていないといわれます。
子どもに多い夢遊病
睡眠時遊行は「歩くことが可能な年齢になったら、どんな子にも起こる可能性がある」といわれるくらい子どもに多い現象です。
発症のピークはおおむね8~12歳で、子どもの場合ほかの睡眠障害よりも有症率が高いといいます。
考えられる要因は、子どもは脳の睡眠覚醒周期をコントロールする機能が未発達で、運動を制御する機能だけが先に覚醒し、意識を制御する機能は眠っているためであるといわれています。
つまり、睡眠時遊行は睡眠障害というよりむしろ覚醒障害といえるわけです。
12歳くらいまでの児童期の睡眠時遊行は、自然に回数と時間が減少して、思春期になるとほとんど消失するといわれます。
ですから、子どもの夢遊病については特別に病人扱いをしないで、遊行中の安全を注意するなどの配慮が求められます。
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