あの有名歌手も。 全身に激痛をともなう「線維筋痛症」とは

Mocosuku(もこすく)
  • あの有名歌手も。 全身に激痛をともなう「線維筋痛症」とは

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

あの有名歌手も。 全身に激痛をともなう「線維筋痛症」とは

公開日時

線維筋痛症の痛みとその影響

 
全身の激しい痛みが特徴の線維筋痛症。
 
痛みは突然発症し慢性化するといいます。
 
患者さんは「骨が裂けるような」「筋肉がひきつれるような」「全身をガラスの破片がめぐっているような」などと表現し、極めて強い痛みであることが伝わってきます。
 
重症化すると、ごく弱い刺激でも耐え難い痛みを感じ、不眠やストレスの蓄積、そのことによるさらなる痛みの増強、あるいは自力での生活が困難になるほどであるといい、非常につらい病気なのです。
 
また、骨格筋の痛みが内臓や全身の筋肉にも拡大し、胃腸障害、月経困難症、排尿障害、血流不全といった全身の不調にもつながっていきます。
 
痛み以外に随伴する症状として、慢性的な疲労感や倦怠感、睡眠障害、しびれやこわばり感、頭痛、口の渇き、光がまぶしいなどの身体的症状のほか、抑うつ、自律神経失調、強迫性障害といった精神疾患が合併することもあります。
 
 

線維筋痛症の治療

 
線維筋痛症は、米国リウマチ学会による線維筋痛症分類基準により、次のような基準で診断がおこなわれています。
 

広範囲の痛みが3か月以上続いている

18か所の圧痛点を指で押すと11か所以上で激痛が走る

原因となる他の病気が認められない

 
 
線維筋痛症に対する特効薬はまだありません。
 
薬物療法、運動療法、心理療法など、医師と患者さんが協力して症状にあった治療法を探っていくことが必要です。
 
たとえば、痛みが強い患者さんには神経性疼痛緩和薬などで軽減させ、まずは筋肉に負担をかけない運動を取り入れます。
 
続いて筋肉を強化する運動に切り替えるといった運動療法に加え、認知行動療法を組み込みストレス軽減にも対処するような方法があります。
 
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【病気(その他)】新着記事

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ 「トリプトファン」はアミノ酸の一種です。 トリプトファンが不足すると精神的に不安定な状態や不眠などを招き、やがて自律神経や体内リズムの乱れ...

2019/07/16 18:30掲載

原因は汗づまり? 水虫と間違えやすい「汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)」とは

原因は汗づまり? 水虫と間違えやすい「汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)」とは

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ ジメジメしたこの季節、不快な症状のひとつ「かゆみ」が気になるという人は多いと思います。 そんな「かゆみ」の症状のなかに、水虫と似ている...

2019/06/25 18:30掲載

”がん”のリスクも!? 「口の中のやけど」には適切な対処を

”がん”のリスクも!? 「口の中のやけど」には適切な対処を

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 熱い飲み物をはじめ、たとえば出来立ての小籠包や焼きたてのピザなど… 飲み物や食べ物による口のなかのやけどは、どなたも経験したことがある...

2019/04/23 18:30掲載

あなたの周りは大丈夫?「ゲーム依存は病気です」とWHOが認定

あなたの周りは大丈夫?「ゲーム依存は病気です」とWHOが認定

執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ ゲームが気になってスマホが手放せない、休みの日は際限なくゲームにのめりこんでしまう… そんな状態に陥っている人はいませんか? ...

2019/01/04 18:30掲載

口や目の渇きには気をつけて! 女性に多い疾患「シェーグレン症候群」

口や目の渇きには気をつけて! 女性に多い疾患「シェーグレン症候群」

執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ いつも喉が渇いて水分が手放せなかったり、目が乾燥してつらかったりすることはありませんか? もしかすると、その原因には「シェーグ...

2018/12/21 18:30掲載

眼科の代表的な病気「白内障」と「緑内障」 白と緑でなにが違う?

眼科の代表的な病気「白内障」と「緑内障」 白と緑でなにが違う?

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ さまざまな眼の病気のなかでも、「白内障」と「緑内障」の患者数は、近年増加傾向と言われています。 名前が似ているため、同じような病気と誤...

2018/12/07 18:30掲載