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執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
「人見知り」は、もともと赤ちゃんの成長に欠かせない葛藤を意味する用語です。
しかし近年、「大人の人見知り」が増えていると言われ、不安障害の一つ「社交不安症」予備軍が増えているのではないかという見解もあります。
改善するよい方法はあるのでしょうか?
今回はこの「大人の人見知り」について詳しくみていきましょう。
大人の人見知りと社交不安症
・コンビニで美味しそうな限定スイーツを買いたいのにレジに持っていくのが恥ずかしい
・憧れのヘアスタイルがあるのに、美容師との会話が苦痛で「適当でいいです」とおざなりなオーダーをしてしまう
・体調を崩して受診したいけど、医師との会話が怖くて病院に行けない
こういった類の「大人の人見知り」は増えていると言われます。
精神科医の清水栄司氏(千葉大学教授、認知行動療法センター長)は、こうした人たちが人間関係の中で次のようなことに過敏に反応していると言います。
・自分が周囲からどんな人間にみられているか
・自分が相手からどう思われているか
・自分が他人からどんな評価を受けているか
そして、こうした傾向を社交不安症スペクトラム(連続体)とも呼んで、個人差や程度差は多様にあるものの、「社交不安症(社交不安障害)」予備軍という見方をしています。
社交不安症は人間関係(社交)の場に不安を覚え、動悸や赤面、発汗などの症状が現れる不安障害のひとつです。
清水医師によると次のような傾向が社交不安症の診断の目安になります。
・人前で質問に答えたり、発表や演技をしたりという、注目される状況が怖い
・宴席、会議室、教室などグループ活動に参加したり、世の人がすでに座っている場所へ行ったりする状況が怖い
・人前で自分が恥ずかしいことをしてしまい、他人から否定的に評価されてしまうことが怖い
以上の怖さが度を越えていて、生活が妨げられたり、ひどいつらさを感じたりが6か月以上続いている場合、社交不安症と診断される場合があります。
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