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根本的な治療法は見つかっていない
網膜色素変性症は、今のところ根本的な治療法が見つかっていません。
ですので、治療は進行を少しでも遅らせようという目的で行われています。
治療の中心となるのは薬物療法で「明順応改善薬」「ビタミン剤」「網膜循環改善薬」「血管拡張薬」などが処方されています。
そして目下、網膜再生や人工網膜、遺伝子治療など、薬物療法以外の治療法が研究されているところです。
日常生活で対処できることとして、視細胞を保護するために遮光眼鏡を着用する、必要に応じて弱視眼鏡やルーペ、拡大読書器や拡大文字のタイプライターなどを使用する…といった補助具の活用が推奨されています。
その他、屋外で行う作業やスポーツを控えるなど、眼を守る工夫について主治医とよく相談しましょう。
現在、「ロービジョンケア」という、低視力の人が快適な生活ができるようなさまざまな支援も整備されつつあります。
医療費助成制度の概略
網膜色素変性症は、特定疾患研究の対象疾患に指定されているため、厚生労働省の医療費助成制度が受けられます。
矯正視力が0.6以下で視野の障害を持っていると、本人の申請により医師が難病患者診断書・網膜色素変性臨床調査個人表を記載してくれます。
これを管轄の保健所に提出し基準を満たすことで医療費の助成が受けられます。
障害の程度によっては身体障害者の認定を受けることも可能です。
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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