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執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
お出かけが増える季節。
お子さんを公園やプールに連れて行って、楽しく遊ぶ姿を微笑ましく眺める一方で、感染症が気になる親御さんも多いのではないでしょうか。
今回お伝えする「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群」(ぶどうきゅうきんせいねっしょうようひふしょうこうぐん:SSSS)は、聞き慣れない名前ですが、乳幼児に好発する恐ろしい皮膚病です。
原因や症状、対応について知っておきましょう。
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)とは
この病気はその名前の通り、「ブドウ球菌」の皮膚への感染をきっかけとして、やけどをした時のように皮膚に水ぶくれができ、さらに剥がれてしまう皮膚病です。
「常在菌」である「ブドウ球菌」は多種多様で、普段から私たちの鼻や喉の粘膜などに棲みついています。
健康なときは全く問題ないのですが、免疫力の低下やケガによる傷、風邪などの症状が引き金となり身体の中で悪さをすることがあります。
ブドウ球菌に属する細菌のうち、特に皮膚の一番外側にある角層を剥がしてしまう毒素を分泌するタイプのものが存在します。
その毒素が何らかのきっかけで血管に入り、血液の流れに乗って身体中に広がると、全身の皮膚にやけどのような症状がでてしまうのです。
これを「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)」と呼んでいます。
まれに大人でも発症しますが、6歳以下の子ども、なかでも3歳以下の乳幼児に発症するケースがほとんどです。
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