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もっと患者への理解を深めよう!
統合失調症は、かつてと比べ社会全体の問題として捉える向きに進んではいるものの、よりいっそう深い理解が必要です。
専門医は次のような正しい見解が広がることを期待しています。
*適切な治療によって、その人らしさを取り戻せる
*支離滅裂、攻撃性、暴力性などは、あくまで症状の一つ
*適切な治療によって、十分に病気の克服は可能
*多くは入院しないで、日常生活の中で治療できる
【参考】糸川昌成/監修『ウルトラ図解 統合失調症』(法研 2017年)
病気としての症状や障害に焦点を当てるのではなく、視点を変え生身の人間として統合失調症の人を見るとき、「あまりにも純粋すぎて、社会の複雑さや利害関係などに適応できない」という印象を持ちます。
純粋であるがゆえに傷つきやすく、「そつなく生きること」が不得手な人たちと言えるのかもしれません。
治療は精神科が中心になりますが、従来の閉鎖的入院環境での治療から、日常生活を送りながら外来治療をするという方法も増えてきています。
これは、ボランティアなど地域の人たちの協力があってこそ実現できることです。
統合失調症は、精神医学上長い歴史をたどってきましたが、現在はこうした開かれた治療も行われ少しずつ進展しているという状況です。
しかしながら、つい最近、統合失調症と診断された長女を長期にわたり監禁し、衰弱死させるという事件が起こりました。
誰にでも起こりうる病気で患者数が多いにも関らず、偏見がなくならないことや医療・福祉の不十分さは解消されていません。
専門家は、地域で暮らせる支援体制を充実させる必要があるとも指摘しいてます。
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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