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反抗の心理?
心理的リアクタンスという用語の生みの親ジャック・ブレームは、禁止や抑圧など生きる自由が侵害されたとき、心理的リアクタンスが生じる、と強調しています。
たとえば、「これ以上食べちゃだめ」と禁止されると、むしろ甘いお菓子を食べてしまってメタボが解消できない(カリギュラ効果)とか、
「この人とつき合ってはいけない」と親が固く禁止するがゆえに、恋心がますます募る(ロミオとジュリエット効果)とか、
商品を購入しそうな客に一生懸命アピールしたら、逆に買ってもらえなかった(ブーメラン効果)などです。
こうした、行動の禁止や抑圧、高圧的な説得は、リアクタンスを喚起させ逆方向に態度を変化させる可能性がある…そういう人間の心理を知っておくことは、人生においても仕事においてもとても大切です。
心理的リアクタンスはマーケティングなどに応用されることも多く、PRや説得の手段としても活用されています。
たとえば、「雑誌の袋とじ企画」「CM終了後、30分間だけ安くなります」などは、隠す、時間を制限するなどの、禁止や抑圧を利用した販売テクニックです。
この手法に踊らされて買ってしまって後悔した!という人は、今回のお話を参考にして自分の心理をコントロールしてみてください。
同様に「怖いもの見たさ」は反抗心や反発心の強い人に起こりがちな心理、ということで、意地になったり無茶をしたりするのではなく、新しい発見につながるような好転に働くよう努めたいものです。
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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