10人に1人とも言われる「産後うつ」は、予備知識も大事

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10人に1人とも言われる「産後うつ」は、予備知識も大事

公開日時

対策:悩みを共有したり手放したりする工夫

 
産後は「自分だけがこんなに大変」と孤独を感じやすくなっています。
 
毎日赤ちゃんと二人きりで過ごしていると、ときには気分が鬱々とするかもしれませんが、初めての出来事に戸惑い、孤立感や不安感を抱くのは特別なことではないのです。
 
そんなときは、子育て中のママ達と交流を図りましょう。
 
同じような経験をしてきた「同志」として心強い存在になるはずです。
 
妊娠中から、次のような集まりについて情報を集めておくとよいでしょう。
 

子育て支援施設

子育て広場

児童館

赤ちゃん会

ママサークル

育児講座

 
そのほかにも、家族とコミュニケーションをとる時間を大切にして、毎日のできごとや楽しかったこと、大変だったことなど、育児にまつわる自分の心情を家族に話せるとよいでしょう。
 
 

妊娠中からの準備と困ったら相談を

 
「産後」は、家族が一人増えるという環境の変化に加え、出産・育児の疲れも重なる時期です。
 
ですから、産後は誰もが身体的・精神的に十分なサポートを受けられるように準備をしておく必要があります。
 
現在の日本では、医学と医療体制の進歩により、妊娠出産で亡くなる人はごくわずかです。
 
一方、精神的な病で自ら命を絶ってしまう妊婦や産後ママの方が多いという、大変悲しい事実があります。
 
産後に十分な休息を取り、安心して育児ができるように、妊娠中から環境づくりをすることをお勧めします。
 
たとえば、家族の役割分担や地域のサポートの活用について検討しておきます。
 
また、産後「育児がしんどい」「様子が変だな?」という不安が続くときは、必ず専門家に相談するようにしましょう。
 
出産した施設に相談すると、必要に応じてメンタルクリニックなどの紹介を受けることも可能です。
 
 
産後うつは、自分から助けを求められないケースも多く見受けられます。
 
周囲が気づいて、本人の代わりに産科やメンタルクリニック等に相談するというのも重要なサポートの一つです。
 
 
【参考】
・益社団法人日本産婦人科医会『妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル~産後ケアへの切れ目のない支援に向けて~』(2017年)
・医学書院『助産雑誌 特集:周産期のメンタルヘルスのために助産師ができることすべきこと』(2017.vol71.no4)
 
 
<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

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