(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
虐待や親の病気、経済的理由などで親と一緒に暮らせない子どもは、約4万5000人いるといわれています(厚生労働省資料)。
今後の見通しとして厚生労働省は、2027年までに「里親」への委託を大幅に増やすこと、また、2022年頃には「特別養子縁組」の成立件数を年間1000件以上に増やすこと、という目標をそれぞれ掲げています。
このような現状を踏まえ、私たちも里親や養子縁組について基本的な事項を知っておきましょう。
社会的養護
本来、子どもは親の愛情のもと家庭で養育されることが大切だと考えられています。
しかしながら、虐待・貧困・病気・犯罪などの理由によって、親が子どもを心身ともに健康に育てられない家庭もあります。「社会的養護」は、社会が代わってそのような子どもを保護し、社会的に養育する制度です。
現在社会的養護には、「施設養護」と「家庭的養護」の二つの体系があります。
施設養護では主に、児童相談所を経て乳児院や児童養護施設といった児童福祉施設へ措置されます。
比較的大人数の「大舎制」と呼ばれる寄宿舎のような場所での生活が中心になります。
これに対して、家庭的養護には「里親」と「養子縁組」の二つの制度があり、少人数の大人が継続的に個々の子どもにかかわれる環境を提供する制度です。
子どもの側からみると、里親制度は委託ですから、実親と里親とが併存します。
対する養子縁組は、実親に代わって養親が法的な親になるという制度で、両者には明確な違いがあります。
スポンサーリンク