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女性脳の特徴
黒川さんが指摘する「女性脳」には、次の二つの特徴があります。
体験記憶(エピソード記憶)に感情の見出しが付いて保持されている
過去のできごとが「怖い」「つらい」「ひどい」「無神経」などといった、感情が見出しになって保存されています。
そのため、たとえば夫が無神経な発言をすると、「無神経」と見出しのついた過去の発言の数々が一気に想起され、何十年分もの類似記憶が鮮やかによみがえります。
このとき、無神経な発言によって引き起こされる心の動きは「ネガティブトリガー」と呼ばれます。
反対に、うれしかった、楽しかったといった快適な感情は「ポジティブトリガー」として体験記憶に紐づけられます。
共感欲求が非常に強い
「わかる、わかる」と共感してもらえることで、過剰なストレスとなる感情が鎮静化して、ネガティブトリガーである神経回路のストレスも軽減されます。
また、自分の体験だけではなく他人の経験であっても、共感して感情の見出しがつくと、自分の体験と同等の扱いになります。
ゆえに、女性にとって「井戸端会議」は格好の共感の機会でもあり、相互に「とっさに使える知恵」の交換会という意義を担っています。
なぜ「女性脳」なのか?
このような構造が女性に顕著なのは、子どもを産み育てるという女性に備わる特性に由来するのではないかと考えられています。
「子育ては常に新しい問題への直面の連続なので、その時その時に起こってくる事態に人生の記憶を総動員して、瞬時に答えを引き出す機能が備わった」ということを、黒川さんは述べています。
また、共感性によって他人の体験を自分の体験のように記憶したり、自分(の気もち)を大切にしたりすること、自分や自分が大切に思う人のことを最重要視するといった、いわば「わがまま」や「えこひいき」も、哺乳類のメスとして種の保存のために備わっている標準装備のようなものだとも指摘しています。
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