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経験者の声
一方、がんの経験者を対象に2017年に実施されたあるアンケート調査からは、次のような声が上がってきており、経験者もさまざまな悩みを抱えていることが伺えます。
通院のための短時間労働が堂々とできるよう周囲の理解がないと働き続けられない
がんサバイバー(一度でもがんと診断された人)の採用を増やしてほしい
通院や体調面による休みについて理解してほしい
患者の家族も看護のために仕事を休める制度が欲しい
抗がん剤治療や放射治療の生活は心身両面でつらく、職場の理解なしには続けられない
時短勤務や週休3日があるとありがたい
手術後の業務配分や代替勤務者などを手配してほしい
休みを取りやすくしてほしい
ウェルネスセンターのような場所でプライバシーが確保され、がんと就労について思いきり話せるような環境づくり
このような調査結果は、がん対策推進基本計画に謳われているような「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」にはほど遠い現状を如実に物語っています。
筆者には、がん患者や経験者の方々が、厳しい現実を生き抜くことを余儀なくされているように思えてなりません。
どうやらこの問題は、これからが始まりといっても過言ではないようです。
【参考】
・文春オンライン『がん経験者572名アンケート』
・朝日新聞デジタル 記事『がんとともに』
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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