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執筆:杉山 崇(神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授)
最近、いろいろなハラスメントが問題になっていますが、「 オワハラ 」という言葉を聞いたことはありますか?
「 オワハラ 」が広まった背景には、一人の学生さんに内定が集中するという、学生さん有利の就活事情やが関係しているようです。
ただし、一人の学生さんが勤務できるのは一社です。
選んでもらえなかった企業さんは人材獲得の機会、採用コストのロス、さらには人手不足によるビジネスチャンスのロスにもなります。困り果てた一部の企業さんは、これまでにない対抗策を取るようになってきました。
それが「 オワハラ 」です。
そもそも オワハラ とは?
オワハラ とは内定または内々定と引き換えに「就職活動を終わらせなさい」と企業が学生に圧力をかける行為です。
確実に入社することを迫るだけでなく、入社しなかった場合は裁判沙汰にする可能性を示唆する場合もあります。
圧力のかけ方も、面接と称して繰り返し呼び出す、食事をごちそうしてさらに圧力を掛ける…など、さまざまなようです。
学生さんは内定欲しさに「必ず入社します」と約束をしまうこともあります。そして「これでこの企業に縛られてしまうのか…」と悩みこむことも少なくありません。
企業側の「入社しなかったら詐欺だ、嘘つきだ、裁判だ!」という脅しとも取れるような言葉に泣き出す学生さんもいます。
確かに内定を労働契約と考えれば、契約を守るように求めることは間違った行いではありません。しかし、職業選択の自由という基本的人権や学生の将来を守るという観点からは好ましい行為とは言えません。
政府も実態調査に乗り出したようで、今後の各企業の対応が注目されていますが、就活中の学生さんはどのように対応するべきなのでしょうか。
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