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見通しのよい交差点で車同士が出会い頭に衝突。
この種の「田園型事故」では、運転手の多くが「相手の車に気づかなかった」と述べているとのこと。
視界を遮るものがないのに、なぜ近づいてくる車に気づかないのでしょう。それは、視覚の特性にあると指摘する専門家もいます。「直進中に左右から別の車が同じような速度で近づいてくると、視野の隅の同じ位置にあり続けて、相手が止まっているような目の錯覚が起きる」というのです(※1)。
錯覚は、時折経験される、ちょっと面白くもビックリする現象です。なぜ錯覚は起こるのでしょうか?
目の錯覚、錯視
五感を使ってモノやできごとを認知する経験を「知覚」と呼びます。その際、知覚体験の内容と知覚対象の物理的特性がズレることを錯覚と言います。特に見ること(視覚)で起きる錯覚を「錯視」と呼びます。
以下、さまざまな「錯視」をご覧いただけます。
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/catalog.html
見えたものと(物理的)事実がずれる「錯視」は、「見落とし」「見間違い」といった個人的なミスではありません。また、精神障害者の「幻覚」のように、実在しないものが見える経験でもありません。
健常な多くの人に共通して同じ「錯視」が起きるのです。冒頭の「田園型事故」も、運転手の見落としや病気では済まされないのが重要なところです。
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