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執筆:座波 朝香(助産師、看護師)
医療監修:坂本 忍(医師・公認スポーツドクター・日本オリンピック委員会強化スタッフ)
生理にまつわる悩みを抱えている女性は決して少なくありません。なかでも、生理痛に悩まされている女性は多いのではないでしょうか。
それにもかかわらず、「痛み」という感覚が主観的なこともあり、「生理痛ごときで受診するべきではない」と考えている方もいるようです。
ただし、生活に支障をきたすほどの生理痛の裏には、病気が隠れている可能性もあります。
後から後悔しないためにも、生理痛について一緒に考えていきましょう。
生理痛って誰にでもあるものじゃないの?
生理痛に関するさまざまな実態調査によると、少なくとも約半数の人に生理痛があるとされています。つまり、残りの半数は生理痛がない、あるいは多少あってもほとんど気にせずに過ごすことができる人もいるということですね。
一般的には思春期の頃には生理痛が重く、年齢とともにだんだんと軽くなっていくことがわかっています。
生理痛がある人にとっては、それが普通だと思うかもしれませんが、中には生理のトラブルを見逃していることがあるかもしれません。
では生理痛が異常なものであるかどうかは、どのように判断すればよいのでしょうか?生理痛のしくみから考えていきましょう。
自分の生理痛は重い?軽い?
まず生理とは、厚くなった子宮の内側、つまり子宮内膜がはがれ落ちて膣から外に経血として出ていくことをいいます。
このとき、「プロスタグランジン」という生理痛を引き起こす原因物質が分泌されます。プロスタグランジンが子宮に作用することで、ギューっという子宮の収縮がおこり、経血を外に押し出す働きをします。
この物質は、お産のときに陣痛を起こさせる陣痛促進剤としても使われます。
子宮の収縮が強いと、陣痛のように痛みもより強く感じます。部位としては、下腹部、腰などが痛みます。
生理痛が強い人は、プロスタグランジンの分泌が多いという説もあります。
とくに、強い下腹部痛や腰痛に悩まされて仕事や学校を休むほどの状態、または薬を飲んでも日常生活に支障があるほどのものを「月経困難症」といいます。生理痛は月経困難症のひとつで、治療が必要なものもあります。
以下のような場合には婦人科を受診しましょう。
・生理の時、薬が手放せない
・生理痛で薬を飲んでいてもあまり効かない
・仕事や学校、クラブ活動など、普段の生活を制限せざるを得ない
・生理痛があることで、いつもならできていることが出来なくなったり、クオリティが下がると感じる
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