(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
就寝中に、意識があるのに身体を動かせなくなってしまう状態を「金縛り(かなしばり)」と呼びます。
身体が締めつけられるような感覚があるので、この呼び名がついたともいわれています。
生霊や悪魔やもたらす超常現象という説もあるようですが、科学的にはどんな現象なのでしょうか。
今回はこの「金縛り」についてのお話しです。
入眠中の不思議な体験?
堀忠雄さん(睡眠心理学者)によると、金縛りでは、睡眠中の突然の目覚め、身体が動かない、声が出ない、そばに誰かがいるような気配がする、誰かが胸の上に乗っている、強い力で抑え込まれて息ができない、激しい恐怖感に襲われるなどが体験されるとのこと。
そして、夢とは違う、恐ろしい、でも身動きができなかった経験から、「思わず霊の力を信じてしまいそうになった」という声も少なくないようです。(参考:堀忠雄『眠りと夢のメカニズム』サイエンス・アイ新書、2008.)
欧米ではかつて、金縛りは「夢魔」の仕業と考えられていました。
ちなみに、画家のフューゼリは「夢魔」を主題にたくさんの絵画を描いています。
日本でも仏教用語の「金縛法:きんばくほう」に由来して、不動明王が敵や賊を身動きできなくする密教の秘法に、その名は由来するとのこと。
金縛りは超自然的な現象として理解されていたようですね。
スポンサーリンク