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執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
昨今はさまざまな側面から、メンタルヘルスケアに対する関心が高まっています。
身体の不調と違って、「見えないココロ」のことですから、概念や病状は「わかったようでわからない」…という状況が多いのではないでしょうか。
今回は、「精神障害」「精神異常」「精神病」の三つの言い表し方について、それぞれの意味や違いについて考えてみます。
辞書の解説を検証
ネット上の辞書を調べると奇妙な点に気がつきます。
デジタル大辞泉「精神障害」の項の解説は、「精神に異常のみられる状態」です。
大辞林は、一つ目の解説として「精神疾患の総称」とし、具体的な病名を列挙、末尾に「精神異常」というコトバで精神障害の定義をくくっています。
続いて二つ目の解説として、「精神疾患およびその後遺症によって、日常生活に支障をきたしている状態」とあります。
次に「精神異常」を調べてみます。
大辞林では「精神障害」、世界大百科事典では「正常ではない病的な精神状態をさす一般的な表現」と解説されています。
すなわち「異常は障害、障害は異常」という「循環定義」のような解説といえます。
専門家でなければ、「精神障害」「精神異常」「精神病」はどれも同じ意味と捉えてしまうでしょう。
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