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執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
睡眠中に起き上がり何かしらの行動をとって再び眠りにつく「夢遊病」。
夢は見ていないのですが、「夢の中をさまよい歩くような」イメージからでしょうか、この呼び名で知られています。
また、英語では "sleep walking" と表しますから、この現象のもう一つの呼び名「寝ぼけ行動」はさらにリアルです。
今回は、医学的には「睡眠時遊行」と呼ばれる「夢遊病」のメカニズムについてご説明したいと思います。
睡眠障害としての夢遊病
不眠症や過眠症をはじめ、睡眠に関するさまざまな障害の総称を「睡眠障害」といいます。
WHO(世界保健機関)のICD-10(G47睡眠障害)、アメリカ精神医学会DSM-5(睡眠‐覚醒症候群)、睡眠障害国際分類ICSD-3など、おもな専門的診断分類にも記載されている分類項目です。
この睡眠障害のうち、睡眠中や睡眠と覚醒の境界状態で生じる様々な現象を総称して「睡眠時随伴症(※)」と呼んでいます。
なかでも、ノンレム睡眠からの覚醒時に起こる「覚醒障害」のひとつに「睡眠時遊行症:ゆうこうしょう」、いわゆる「夢遊病」があります。
睡眠時遊行は、夜間に眠り始めてから最初の3分の1の頃合いに発生することが多いとされています。
寝床から急に起き上がって寝床を離れて歩き出し、服を着る、ドアを開ける、階段を上り下りする、別の部屋に入る…など様々な行動をとるほか、食べ物を食べることさえあるといいます。
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