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執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
福岡県に住む60代女性がネコから感染したとみられる「コリネバクテリウム・ウルセランス感染症」により死亡していたと、先ごろ厚生労働省が発表しました。
日本国内におけるこの感染症の死亡例は初めてのことで、厚生労働省では都道府県などに対し動物由来感染症への注意喚起を呼びかけています。
ペットを家族のように飼育する人が増加する一方、こうした感染症にも注意を払わなければなりません。
今回は「動物由来感染症」について、詳しくご説明いたします。
動物由来感染症とは
動物から人に感染し、動物と人に共通する感染症の総称を「動物由来感染症」といいます。
「人畜共通感染症」あるいは「人獣共通感染症」、「zoonosis(ズーノーシス)」と表わす場合もあります。
医学(人の感染症)と獣医学(動物の感染症)にまたがる医療分野です。
世界では今でも新しい感染症がたくさん発見されていますが、その多くが動物由来感染症であることがわかってきました。
なかには「強い感染力をもち重症化する」「治療法がない」「ワクチンが実用化されていない」といった病原体もあります。
たとえば、エボラ出血熱(※1)、SARS(重症急性呼吸器症候群)(※2)、マールブルグ病(※3)などが挙げられます。
世界保健機構(WHO)は200種類以上もの動物由来病が存在すると述べていますが、日本で発症しているのは数十種類程度とされています。
※1 NID国立感染所研究所『エボラ出血熱とは』(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebola-intro.html)
※2 NID国立感染所研究所『SARS(重症急性呼吸器症候群)とは』(http://www.niid.go.jp/niid/ja/encycropedia/392-encyclopedia/414-sars-intro.html)
※3 NID国立感染所研究所『マールブルグ病とは』(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/343-marburg.html)
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