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執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
カサブタが気になって剥がしてしまう…
吹き出物ができて、つい潰してしまった…
このような行為に至るのことはどなたも経験をお持ちではないでしょうか。あるいは経験はなくとも、その気持ちは理解できることと思います。
しかし、自分の皮膚の皮や爪などをむしり取って傷つける行為を繰り返していたのなら、それは注意が必要です。
「ついつい」や「クセ」を通り越して度が過ぎた先に「皮膚むしり症」という病気があります。
強迫性障害の関連障害として、メンタルな病気だと考えられています。
詳しくみていきましょう。
「皮膚むしり症」はどんな病気?
自分の皮膚を引っかいたり、むしったりする行為を繰り返してしまう「皮膚むしり症」。
部位は、顔や手がもっとも一般的です。
爪や針、ピンセットなどまで使って皮膚の小さな凸凹、吹き出物、硬くなった角質などをむしり取る行為が多く、皮膚を噛んだり強く擦ったりするケースもあります。
さらに、むしることで生じた皮膚の病変を、洋服や化粧で隠したりする人もいます。
しかし、むしることを楽しんでいるというわけではないのです。
むしったあとの出血を見て後悔し、そういう行為をやめようと何度も試みる様子も見受けられます。
楽しんでしている行為ではなく、やめようと思ってもやめられず、皮膚を傷つけ続けているという状況なのです。
ですから、「皮膚むしり症」は強迫性障害の関連障害に分類されています。
強迫性障害とは強迫観念と強迫行為を繰り返す精神疾患です。
自身の意に反して何度も迫ってくる不快なイメージが「強迫観念」、強迫観念から起こる不安によって「〇〇しないではいられない」行為に及んでしまのが「強迫行為」です。
皮膚むしり症の場合、むしる行為が強迫行為に相当しています。
正式に病名として診断基準に入ったのは『DSM-5(「精神疾患の分類と診断の手引き」最新版、アメリカ精神医学会 2013年)』からのことです。
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