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執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
お酒を飲んだ後や翌日、頭がズキズキ痛い…この経験、多くの人は身に覚えがあるのではないでしょうか。
今回はお酒と頭痛の関係、予防や対処法をご説明します。
お酒を飲む機会が増えるこれからの季節、有意義な時間を過ごすために、ぜひ参考にしていただければと思います。
お酒による頭痛の原因
お酒が原因の頭痛には、大きく分けて3つの原因が考えられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
脳の血管拡張
アルコールは血管を拡張する作用を持っています。
拡張された血管は神経を圧迫して頭痛を引き起します。
また、アルコールは肝臓で「アセトアルデヒド」というアルコールよりもさらに毒性の強い成分に分解されます。
このアセトアルデヒドにも血管を拡張させる作用があります。
本来、アセトアルデヒドは毒性のない酢酸と水に分解されて体外に排出されるのですが、アルコールの摂取量が多すぎると分解の処理が追いつかなくなります。
そうすると体内にアセトアルデヒドが留まって、頭痛の原因となるのです。
頭痛が起こりやすいのは次のようなケースです。
●お酒に弱い人
アルコールの分解能力には個人差があります。
アセトアルデヒドを処理する酵素が少ない、もしくはない人の場合、少量のお酒を飲んでいる最中でも頭痛が起こります。
●たくさん飲み過ぎた翌日
いわゆる「二日酔い」の状態です。
●ワインを飲んだ時
ワインにはポリフェノールが多く含まれます。
ポリフェノールにも血管を拡張する作用があります。
●ウィスキーやブランデーを飲んだ時
アルコールはエタノールが主成分ですが、ウィスキーやブランデーなど独特の風味を持つ蒸留酒には微量のメタノールという成分が含まれています。
メタノールはエタノールよりも分解に時間がかかるため、分解物による血管拡張の影響が出やすいのです。
脱水症状
肝臓でアルコールを処理するためには水分が必要です。
また、アルコールには利尿作用があり、のどを潤しているように思えますが同時に水分も抜けやすくなっています。
お酒を飲んでトイレの回数が増えると感じる方は多いでしょう。
身体の水分の排出が増えて脱水状態になると、頭痛や吐き気、食欲不振、倦怠感などの症状が出ます。
低血糖症状
アルコールの分解は肝臓で行われます。
肝臓ではアルコールの分解が最優先され、他の働きは二の次になってしまいます。
肝臓には糖質を蓄えて必要に応じて利用するという役割がありますが、アルコール処理が優先されるとこの働きが滞り、糖質が枯渇する翌日頃に低血糖状態(血液中の糖質が少ない状態)を引き起こします。
低血糖状態になると、頭痛や倦怠感、吐き気などが起こります。
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