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不妊治療や妊娠年齢 :「思わぬ妊娠」をしないために知っておきたいこと
生理(月経)があるかぎり、いくつになっても妊娠の可能性はあります。避妊をしなかった場合は、妊娠する可能性は0ではありません。
次に正しい避妊方法です。一般的にはコンドームを利用することが多いかもしれません。しかしコンドームは、装着するタイミング、装着方法などの問題により、避妊失敗率*は2~18%くらいあるといわれています。
避妊手術よりも安価で、コンドームよりも避妊効果が確実なのは、経口避妊薬(ピル)です。毎日正しく服用する必要がありますし、定期的な医師による診察と処方が必要ですが、避妊失敗率は0.2~9%です。
ただ、注意が必要なのは、年齢を重ねるにしたがって脳梗塞、心筋梗塞等の心血管系障害が発生しやすくなる年代であるため、40歳以上でのピル服用にはこれらを発症する危険性が高くなるリスクがあることを覚えておきましょう。
ピルに代わる避妊方法としては、IUD(避妊リングといわれることがあります)、それをさらに発展させたものとして、子宮内システム(IUS)があります。
IUSは子宮内に装着すると最長5年間は持続的に黄体ホルモンを放出することで避妊効果が維持されるデバイスで、避妊に関しては自費診療での適応があります(避妊失敗率0.2%)。
子宮内に装着後、初期には不正出血がありますが、一方で、年齢とともに高くなる血栓症のリスクを高めることなく避妊ができる、毎日薬を飲まなくても良い、ピルの内服が難しい方でも使える(高血圧、肥満の方など)などのメリットがあります。こういった選択肢も検討してはいかがでしょうか
なお、IUSには「過多月経」と「月経困難症」の治療効果が認められています。IUSが子宮内に装着されると黄体ホルモンを放出し、子宮内膜の増殖を抑える働きがあります。結果的に、経血量を少なくし、月経に伴う痛みなどの症状も緩和することが出来ます。(過多月経:2014年9月、月経困難症:2014年11月に承認され、保険適用になりました)
不妊治療や妊娠年齢 :40歳代のイライラは、必ずしも更年期ではない?
40歳代半ばになるとそろそろ気になるのが更年期障害ではないでしょうか。更年期障害には、ホットフラッシュ(のぼせ)、手足の冷え、動悸・息切れなどの症状がありますが、他にも怒りやすくなる、イライラする、くよくよしたり憂うつな気分になる、という症状もあります。
一方で、月経前症候群(PMS)や月経前気分不快障害(PMDD)でも同じような症状がみられることがあります。(PMSとPMDDの違いは分かりにくい部分もありますが、PMSと比べてより精神的な症状が強く出る場合をPMDDとよびます。)
例えば、抑うつ気分・絶望感・自分を卑下する、不安・緊張感・苛立ち、情緒不安定、怒りやすいなどの症状が著しく、かつ月経周期に関連してみられる場合は、PMDDの可能性があります。
PMDDは月経が始まると症状が改善するのに対し、更年期障害は月経周期に関係なく症状が続きます。月経不順も重なると中々区別がしにくいのですが、更年期障害とPMDDでは治療法が違いますので、まずは婦人科で相談してみてはいかがでしょう。
*避妊失敗率:各種避妊方法開始1年間の失敗率(100人の女性が1年間に妊娠する率)
<執筆・監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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