(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
おひとりさまブームの背景 :「おひとりさまブーム」の再来は復興しつつある証拠?
ところが、昨年からいきなり、再び「おひとりさま」が注目されるようになってきました。
その第1の理由は、震災の心理的な影響や消費行動がひと段落してきたことにあります。
「おひとりさま」は決して消滅したわけではなく、ただ単にナリをひそめていただけである、ということに、世間が気づき始めたのです。「『おひとりさま』は依然として数多く存在していて、ターゲットとして見逃せない消費者である」と、多くの企業が再認識するようになったわけですね。
ここで「おひとりさま」の層の厚さを示す例をあげてみましょう。
ソーシャルコミュニケーションサービス「ミクシィ」には、「おひとりさま」という女性専用のコミュニティがあるのですが、2010年には5000人だった参加者は、現在では8000人近くにまで増えています。
また、電気通信会社「ニフティ」の昨年の調査によると、「ひとりで出かけるのが好き」と答えている人の割合は、なんと73%にものぼっています。
おひとりさまブームの背景 :がんばりすぎない、背伸びをしない今の「おひとりさま」
とはいえ、現在の「おひとりさまブーム」を支えているのは、5~10年前とはもはや担い手が違います。「第1次おひとりさまブーム」を支えていたキャリア女性たちはもはやアラフォー・アラフィフの域。現在の「第2次おひとりさまブーム」を支えているのは、20代~30代前半の若い女性たち。そして「男性のおひとりさま」です。
男性の「おひとりさま」についてはまた別の機会に詳しく取り上げるとして、現在の女性の「おひとりさま」の特徴は3つあります。
(1) キャリア女性とは限らない
(2) ごくごく自然体
(3)「おひとりさま」が前提ではない場所にも出かける
(1)の背景としては、自活能力のある女性が増えてきたということがあるかもしれません。もちろん贅沢はできませんが、自分が稼いでいる範囲内でコジンマリと生きていくには不自由しない、という女性が多くなってきたのです。
また、「第1次おひとりさまブーム」の影響で、今は社会的に「おひとりさま」がそれほど不自然に受け取られません。ですからガツガツとがんばる必要がない・・・つまりは「(2)ごくごく自然体」でいられる、というわけですね。
また、「ひとりっ子」が増えていることも要因のひとつだと指摘する専門家もいます。小さいときからひとり部屋を与えられ、ひとりで行動することが当たり前だった世代にとっては、大人になってから「おひとりさま」になるのは自然な流れ、という考え方です。「格好よさに憧れて『おひとりさま』をがんばる」という、「第1次おひとりさまブーム」とはそのあたりが少し違いますね。
(3)は、「『おひとりさま』向けにわかりやすく作られたサービスに固執しない」という傾向を示しています。
前述した「ミクシィ」の「おひとりさまコミュニティ」を見てみると、「ひとりご褒美旅行」「ひとり焼肉」はもはや当たり前。今では「ひとりディズニー」「ひとりライブ」「ひとりプロレス観戦」といったものまで、活動範囲はバラエティ豊かです。
普通ならカップルもしくは家族で行くようなところにもフラッとひとりで出かけていく・・・そんな肩肘張らない姿勢が伺えます。
スポンサーリンク