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高収入の独身貴族は一生お金に困らない?
他方、比較的高収入の独身者のライフプラン相談を受けたことがあります。その方は、「老後のため」とマンションを購入済み、旅行好きで年に数回国内外に出かけ、マイカーは国産高級車といった具合で、独身生活を謳歌しているようでした。相談内容を分析してみると、これまでは収入の範囲内で支出をしており、なんら問題もありませんでした。
一点だけ気になったのが、勤続年数の経過と共に収入が増加するのと同じくして、支出金額が増加の一途をたどっており、今後、収入と支出の差である資産の積み上がり(貯蓄)ペースが鈍化するのみならず、貯蓄の切り崩し傾向が予想され、退職時期を境に大幅な支出の削減を強いられる可能性が高まる傾向がみてとれました。自分の裁量で自由になるお金があるがために将来不安を招いているのかもしれません
お金への不安は、収入が増えれば解消するものでも無く、資産(貯蓄)が増加しても解消しません。なぜなら、「もっと!もっと!」という欲にはキリがなく、あればあったなりに使ってしまうのが世の常だからです。
「共に喜び」「共に悲しむ」家族の存在
今回は結婚だけに焦点を当てましたが、出産後、子育てのフェーズに入ると、またお金に対するライフプランは変わってきます。
気楽な独身貴族を否定するものではありませんが、結婚・子育てをする過程で「共に喜び」「共に悲しむ」家族の存在も悪くないと思います。
何より自分自身が存在しているのは、「家族がいたから」という現実は変えようがありませんよね。
コスパ面から考えられるもの、考えられないものを含め、改めて「結婚」というものについて考えてみるのもいいかもしれませんね。
<執筆者プロフィール>
石村衛(いしむら・まもる)
FP事務所:ライフパートナーオフィス代表ファイナンシャルプランニング1級技能士(CFP)東洋大学卒業。メーカー勤務の後、FP事務所:ライフパートナーオフィスを横浜市戸塚区に開設。地域に根ざしたFP活動を志向し、住宅ローン、不動産・証券投資、保険、貯蓄・など一般家庭のお金にまつわる様々なアドバイスを行っている。 お金に係わる出前授業を小・中・高校で実施。また、高等学校の保護者会などで進学費用や奨学金・教育ローンの講演多数。東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザーとして活動中。
<参考資料>
毎日新聞・5月7日付〈一極社会〉結婚『コスパ悪い』 『恋愛の価値』低下
http://mainichi.jp/select/news/20150507k0000e040038000c.html
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