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褥瘡の治療
浅い褥瘡の場合は、生理食塩水などで患部を洗浄し、外用薬や被覆剤を貼ります(ドレッシング)。深い場合は手術で壊死組織を除去して、洗浄し、外用薬の処置をします。褥瘡の潰瘍の周囲皮膚の下が空洞になった「ポケット」を形成しているものは、切開をして露出させる場合があります。いずれの場合も、病変部は毎日洗浄して清潔を保ちます。
褥瘡を予防するには
褥瘡は、気をつけて患者をケアすることで発生・悪化を防ぐことが可能です。主な予防法としては、次のようなものが上げられます。
除圧
自分で身体を動かすことができない人、皮膚や筋力の衰えがある高齢者などには、除圧マットや枕を使用することにより圧力の軽減が図れます。低反発マットや枕も有効です。
体位交換
自分で寝返りができない人には、介護者が2〜3時間おきに向きを変えてやること(体位変換)が必要です。また、寝具や寝巻のシワやずれなどが褥瘡の原因になることもあるので、十分注意しましょう。
スキンケア
スキンケアの基本は、皮膚の清潔・保湿・保護です。「清潔」は汚れを洗い流すことですが、新陳代謝の促進にもつながります。「保湿」には皮膚が乾燥してバリア機能が低下するのを防ぐため、保湿クリームやローションを使います。「保護」は異物の付着や接触を防ぐことです。オムツを使用している人は、便などが出たらすぐに交換しましょう。
栄養
栄養のバランスのとれた食事を摂るのはもちろんですが、量や形態もその人に合わせて食べ易い状態に変えます。医師や栄養士などに相談しましょう。
執筆:南部洋子(看護師)
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
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