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リハビリテーション
<急性期>
残存機能がどの程度なのか、機能がどの程度回復するかも大事ですが、まずは、合併症発生予防が治療の第一優先です。
主な合併症は、尿路感染、肺炎、拘縮(関節が硬くなる)、褥瘡などがあります。
<回復期>
両足の麻痺がある場合は、上肢を使って、プッシュアップ動作、長座位(足を投げ出して座る)の獲得が重要です。麻痺している部位のリハビリよりも先に、残されている動く機能を十分に回復させることを優先させます。
また、手の機能により食事や着替え、車いすの駆動などの動作の訓練が必要になります。
歩行が可能かどうかは残存機能によります。装具や杖の使用で歩行が可能となる場合もあります。麻痺した手足の筋肉がつっぱる「痙縮(けいしゅく)」という症状が強くなることがあります。
症状により内服薬や神経ブロック療法などをリハビリテーションと合わせて行います。
<寿命>
以前は、健常者と比較すると寿命は大幅に短縮されると言われていましたが、現在では医療技術の発展に伴って、およそ5%程度短いだけと言われています。
周囲の支えで、本人も前向きに!
岡本さんは、まだ下半身麻痺状態で、今後どうなっていくかわかりません。彼は、ブログに「ただ今日を生きるだけ、今は今日を乗り越える事だけを考える。家族を愛し、仲間を愛し、自分を愛して、ただ生きる。病んでもいいから明日も生きよう」と記しています。励ましてくれる仲間や、夫人と幼い二人のお子さまが彼を支えているようです。
脊髄損傷はまだ有効な治療法が確立されていませんが、最近iPS細胞を用いた再生医療の可能性が、研究段階ながら治療への明るい希望として注目されています。
<執筆者プロフィール>
南部洋子(なんぶようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師 株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修>
樋口二三男(医学博士、整形外科医、とらうべ顧問産業医)
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