(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
奇声の理由と見分け方 :「大声を出してもいい」環境へ行く
ところで、「大声を出したい」という欲求はもちろん大人にもあります。大人はこうした欲求を、酔っぱらって騒いだりカラオケにいって歌ったりすることで解消するのかもしれませんが、子供の場合はそうはいきません。
そこで、ときには自然の中など「大声を出しても誰にも迷惑のかからない場所」に子供を連れていって、好きなだけ叫ばせてあげるのはどうでしょうか。うまくいけば、親子そろってストレス解消ができるかもしれません。大声を出すことも多い「発達障害」や「知的障害」の子供を持つ親御さんの場合、「子供をのびのび育てたい」という理由で、住宅が密集している地域から広々とした田舎に引っ越すケースもあるようです。
ときに「まわりの目を気にしなくていい」環境に身を置くということは、子供だけでなく親御さんにとっても必要なことなのかもしれませんね。
奇声の理由と見分け方 :大声を出さないほうが心配な場合も
また、大声を出して自分の意思を伝えることをしない子供が、「問題のない良い子」とは限りません。早いうちから親や大人の目を気にして、自分の欲求を押し殺すことは子供にとって大変なストレスになる場合も多く、あとになって「アダルトチルドレン」「毒親」といった問題につながってしまう可能性もあるようです。
いずれにしろ、どんな大人もかつては間違いなく子供であり、子供の大声に目くじらを立てる私たちは、「子供の頃に大声を出していた」ことを忘れているだけかもしれません。子供の大声や叫び声に、ただ「うるさい」と顔をしかめるのではなく、そのことによって「子供がなにを伝えたいのか」を考える余裕を持っていたいと思います。
<執筆者プロフィール>
井澤佑治(いざわ・ゆうじ)コラムニスト
舞踏家/ダンサーとしての国内外での活動を経て、健康法・身体技法の研究、高齢者への体操指導、さまざまな障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などに携わる。
スポンサーリンク