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誤薬とその対策(介護事故ガイドラインより)
「誤薬」とは、利用者が誤った種類、量、時間または方法で薬を飲むことを指します。特別養護老人ホームでは、介護事故ガイドラインの中で誤薬について定めています。今回の事故を見てもわかるように、誤薬は薬の内容や量によって生命に重大な危機を及ぼすこともあるため、決して起こってはならない事故です。しかし、「うっかり」や「思い込み」などのヒューマンエラーが最も起こりやすい事故でもあります。
そのため、薬を扱う際には、複数回のチェックを行うことを習慣化することが重要です。まず「配薬ボックスから薬を取り出すとき」「利用者のそばにいったとき」「薬袋を開けて口に入れる前」の最低3回は、その薬が本人のものであるかを確認するといった基本事項を、職員全員で徹底することになっています。事故が起きた老人ホームでは、こうした基本事項が守られていなかった可能性があります。
医療事故で最も多い誤薬
誤薬は、医療事故の中でも最も多いものです。事故が起きないようにするには、どうすればいいのか。今回のような悲劇が繰り返されないよう、いま一度、それぞれの施設ごとに、点検とルールの工夫、教育の必要性があるのではないでしょうか。また、家庭に薬を服用している高齢者がいる場合は、飲み間違いがないように家族が定期的にチェックする習慣をつけるといいでしょう。
執筆:南部 洋子(看護師)
監修:坂本 忍(医学博士、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
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