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仕事と一過性全健忘 :発作中の記憶は戻らない
一過性全健忘は40〜80歳で発症することが多いと言われています。発作が起きている間は自分が何をしているのかが記憶に残らないため、周囲の人にしつこく同じような質問を繰り返すことがあります。このため、家族や身近な人が異常に気がつくことが多いのです。
また、発作が治まった直後に、数時間前からの記憶を失っていることに気づくことがあります。例えば、自動車を運転している時、どこへ行くために運転しているのかわからなくなるといったケースです。
発作は1〜24時間ほど続きますが、たいていは1回きりです。何度も起こることはめったになく、再発率は10%程度と言われています。ただし、発作が治まって正常に戻っても発作中の出来事はまったく覚えておらず、その後記憶が回復することもありません。
一過性全健忘の診断と治療
通常、発作後すぐの脳波やMRI検査では異常が見られません。最近になって、一過性全健忘の発作から1〜3日後に脳のMRIをとると、海馬に異常な影が見つかることがわかってきました。
その他の診断基準としては、発作中の当人を目撃した周囲の人の話をもとに診断をすることもあります。てんかんのような症状や、最近頭部外傷などを負った人は、一過性全健忘とは別の記憶障害だと考えられます。
発作の数日~数週間前から、精神的または身体的に疲労した状態にある人が、外部から何らかの刺激を受け、その直後に生じることが多いと言われています。具体的には、ランニング、体操などの身体的な活動のほか、性交、重要な会議、突然の配偶者の死、水泳など冷水の接触、急性の疼痛などの感覚刺激が、発作を誘発すると考えられています。
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