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うつ病の症状 次々と襲う「異変」
第一の異変
その当時、日中は高い緊張を強いられる経済産業省の委員会への参考人出席などの仕事も入っていました。ある日、私の発表の順番が回ってくる直前になると 激しい動悸が始まり、足の震えが止まらないという事がありました。動画放送の収録中ですが、席を外そう、外そうと心が大きく動くのです。突然襲った衝動を我慢しながら、 TVにもよくコメンテーターとして出演されている有名な大学教授の発言に対し「こんなこと価値があるのか」「早くやめろ!」と言いたくて仕方がないという新たな衝動が生じます。何かとんでもないことが自分の心の中で起こっていることに対する不安はMAXに達しました。
流石に心配になり、かかり付けの、内科の先生のところに行きました。診断は、「極度に疲れが溜まって来ているので、まずは睡眠をしっかりと取ってください。」と言うことで、少量の安定剤(デパス)を寝る前に飲むようにと処方されました。しかし、眠れない日、眠った感覚がない日は減りませんでした。
そして第二の異変
そんな健康状態の中、数社のお客様と一緒に台湾に太陽光 発電所やパネル製造工場の視察に行きました。その時は、引率者としての緊張感もあったので、お客様がナイトツアーに行っている間に、自身はマッサージ師を呼んで、90分間の施術をしてもらいました。そこで、また異変が起こったのです。
30分を過ぎた頃からうつぶせ状態になっていること自体が物凄い苦痛に感じられて来ました。何か、心がイラつくのです。体勢を入れ替えてもその感覚は続き、マッサージが終わっても、体が軽くなったと言う感覚は全くありませんでした。
第三の異変…そして地獄の入口に
帰国した自宅の風呂場で次の異変がありました。旅行中も胸や脇の当たりが“痒い”と言う感覚がありましたが、暑さのせいだと思っていました。 しかし、風呂場の鏡を見て驚きました。真っ赤な発疹(蕁麻疹・じんましん)が体中に拡がり、体全体が腫れているのです。正直、蕁麻疹など出たことがなかったので、大変驚きました。
もちろん翌日、朝一番で病院に行って、抗生物質を貰い、それは2日で治まりましたが、先生に今でも眠れないことを伝えると、「じゃ、軽い睡眠薬を出しましょう。」「企業幹部やエグゼクティティブの多くは普通に安定剤を飲んでいます。睡眠薬も結構飲んでいますよ。まずは、睡眠を取ることです。私も飲んでいますし、睡眠薬も軽いものですから・・。」と言うことで、睡眠薬(マイスリー)を処方されました。
当時は自分が「うつ」だなんて微塵にも思っていませんでしたが、今考えるとこれがうつ病の地獄の入口をノックした瞬間だったのです。
次回からは、実際に私が体験したうつ病治療の実際についてお話します。
<執筆>
村井哲之
広島大学 政治経済学部 経済学科卒
法政大学環境マネジメント研究科修士課程中退
事業構想大学院大学 研究員
環境プランナー
リクルート、第二電電(現KDDI)等を経て、
現在、日本初の廃棄のコンシェルジェ
総合商社 ㈱イブロン代表取締役
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