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執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
監修医:坂本 忍(医師・公認スポーツドクター・日本オリンピック委員会強化スタッフ)
けがと唾液 の役割には何か関係があるのでしょうか?転んで擦りむいたとき、「唾をつけておけば治る」といわれ、そうしたことがある人もいたかもしれません。
最近では、学校の保健室から消毒液が消え、けがは水で洗い流すところも増えているようです。「けがは唾をつけておけば治る」、その真偽はどうでしょうか。
けがと唾液 :唾液の役割は消化だけでない
そもそも、唾液とは何でしょうか。唾液の役割は、しゃべったり食べたりしても、口の中が傷つかないよう潤す働きをしています。食事をするときに食べ物と唾液が混ざって食塊ができ、飲み込みやすくしてくれるのです。
また、唾液の中には消化酵素が含まれていて、糖質を分解し、体内に吸収しやすくしています。
そして、唾液に含まれているリゾチームは、抗菌作用を持った酵素です。「リゾチーム」は涙や汗、リンパ液、鼻粘液などにも含まれ、さまざまな細菌感染から生体を守り、生命維持に欠かせないものです。
また、唾液に含まれている「ムチン」は、菌を凝集させ、菌塊として、口内から排出する働きをしています。さらに、口のなかを清潔に保つ自浄作用、pHを一定に保ち中性にして虫歯を防ぐ緩衝作用、それに味覚にも影響しています。
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