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出生前診断でわかることも…
無脳症はエコー写真だけでなく、出生前診断によって発覚することもあります。妊娠中に子どもの染色体異常や水頭症など問題がないかを調べ、産むかどうかの選択をする出生前診断。無脳症も出生前診断により、羊水や母体の血清から検査します。出生前診断には賛否両論あり、基本的に医師は中絶を勧めませんが「無脳症」だけは例外で、医師が中絶を勧めます。これは、現段階では出生後にも生きることが不可能な病気だからです。
死産であるか、産まれても数時間で死亡してしまうことが多いですが、最近では出産後に数年間生きるケースもあります。
予防法や治療法は?
現段階では無脳症に対する治療法はありません。そのため、母体では生きることができても、脳がないため出生後に生き続けることはできません。
また、無脳症に関する原因も解明されていないことから、予防がしにくい病気とも言われています。人種や国によって発現率が違うことから、遺伝子的な要因が関係すると考えている人がいたり、母体の栄養状態を指摘する人もいたりしますが、いずれも確実な原因ではありません。
日本では、妊娠する3か月前から12週までの間にビタミンBの一種である葉酸を摂取することで発症リスクが軽減されるとされ、厚生労働省では葉酸を摂取するよう呼びかけています。
監修:坂本忍(医師)
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