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胃潰瘍のリスク :ストレス・食べ物・ピロリ菌
ストレスフルな現代社会では、胃潰瘍は身近な病気です。肉体的、精神的ストレスによって自律神経に変調が起き、胃酸が過剰に出やすい環境にある人が多いと考えられます。また、たばこや酒、コーヒー、刺激の強い香辛料などの過剰摂取も胃潰瘍の原因となり得ます。
近年有名になったヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、胃の中に住みつく細菌で、日本人の中高年では、約70〜80%の人が感染していると言われています。ピロリ菌は胃に住み続けて胃粘膜を傷つけるため、やはり慢性胃炎や胃潰瘍の原因になります。
さらに、脳や肺、肝臓などの慢性病や解熱消炎鎮痛薬、降圧剤などの継続服用は、胃酸過多になりやすく、胃潰瘍を起こすことがあります。こうした薬剤の利用者も胃潰瘍のリスクがあると言えます。だからといって自己判断での断薬は危険なので、必ず主治医と相談しましょう。
診断と治療
胃潰瘍の診断では、胃部レントゲン写真でのバリウム検査を行います。これによって胃壁の変化を見ます。胃の内部の状態をより正確に確かめるには、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を使用します。
胃潰瘍と早期胃がんは区別が困難です。このため、胃潰瘍と思われる状態が見つかった場合は、胃の組織を直接採取してがん細胞があるかどうかを調べます。がん細胞がなく、胃潰瘍だった場合は、ほとんどの場合、胃酸を抑える薬と食事療法を含む生活指導で治療します。
以前は外科手術で潰瘍を切除するのが主流でしたが、最近は出血を起こしていても効力を発揮する薬があるので、手術の必要な患者は減りました。ただし、胃穿孔が見られる場合は手術が必要です。
ピロリ菌感染が原因の場合は、医師の処方に従って服薬で除菌します。ピロリ菌を除菌することで、胃潰瘍の再発が劇的に減少します。ピロリ菌の除菌は2000年から保険適用になりました。
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