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高山病と酸素摂取能力の関係
標高1800〜2500mを超える場所への登山には、高山病の危険があります。日本では、富士山の5合目で2300m、頂上で3776mですから、富士登山にも高山病の危険が伴います。
高山病の発症リスクには個人差があり、なりやすいかどうかは「酸素摂取能力」が影響します。酸素摂取能力が高い人は、薄い空気の中でも酸素を効率よく取り込めるため酸欠(低酸素)になりにくい体質と言えます。
個人の酸素摂取能力には、心肺機能のほかに、血中ヘモグロビン量が大きく関係してきます。ヘモグロビン量が少ないと貧血になりやすく、体の隅々まで酸素が届かなくなります。このため、普段から貧血気味の人が高地に登ると、高山病をになって苦しい状態になりやすいのです。
低酸素状態と高山病
体の組織に十分に酸素が行きわたらず、組織が酸化して代謝が不十分になる状態を「低酸素状態」と呼びます。また、血液中に含まれる酸素が不足している状態を「低酸素血症」と言います。
悪性貧血、心臓・肺疾患、睡眠時無呼吸症候群のような持病を持っている人のほか、また、過度の運動や登山、高地トレーニングなどによって、健康な人でも低酸素状態になり得ます。
いわゆる高山病は、登山などで低酸素状態に置かれた人が起こす症候群のことです。標高2500m以上の高所に登った時点から、6時間~数日以内に各種症状が起こります。気圧の低下に伴って血中の酸素濃度が下がることが原因で、高地へ登るまでの速さ、動きの激しさ、紫外線、寒冷、乾燥の程度などが発症に影響します。
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