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高山病の4つの症状
高山病の症状には、「山酔い」「高地脳浮腫」「高地肺水腫」「高地脳症」の4つがあります。山酔いは二日酔いに似た症状で、頭痛や倦怠感、食欲不振、嘔気嘔吐が生じるもので、1200~1800mの高さで発症し、2500m以上になるとよく起こります。山酔いの症状が現れるのは、高地に到着後6~12時間後です。
高地脳浮腫は山酔いが激しくなったものです。山酔いの症状に加えて、考えがまとまらなくなり、運動失調が見られます。まっすぐな線上をかかととつま先を交互に触れながら歩く検査(縦列歩行テスト)をしてみると、線から外れてしまうようならば、高地脳浮腫があると考えて、すぐに低い地点へ下ろしたほうがいいでしょう。
高地肺水腫の最初の症状は、最初は体を動かしているとき息切れが激しくなり、次第に安静時でも息切れがひどくなります。強い呼吸困難、泡沫状の血痰が見られることもあります。数分安静にしても息切れがなくならない時点で、低い地点に下ろすことが必要です。
そして、重症化すると高地脳症と呼ばれる症状が起こります。強い頭痛、言語障害や幻覚、異常行動を起こす場合もあり、その後意識障害に進みます。高地脳浮腫、高地肺水腫、高地脳症になると、命に関わることもあるので注意が必要です。
イモトさんの場合は高山病があったとしても山酔いレベルだと推測されます。人が変わったように思える言動は、偉業を前にした気持ちの高ぶり、疲れやストレスなど他の要因もあるのかもしれません。
もし高山病になってしまったら?
事前に高山病の早期症状を知っておき、症状が出たらわかるようにしておくことが何より大切です。そして何らかの症状が見られた場合、それ以上高い地点には上がらないことです。
その場で休んでいても改善しないようであれば、低い地点に下ります。つまり、体の不調があったらすぐに低い地点まで下りるというのが鉄則です。登山は通常、複数人での行動ですが、ほかの人に合わせようと無理することが一番危険と言えます。
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