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女性に多い咳ぜんそく
咳ぜんそくの患者は年々増加していて、40代から50代の特に女性に多い傾向があり、しばしば再発を繰り返します。
ただ、胸のX線写真を撮っても異常は見つからないため、風邪や気管支炎などと混同されることもあります。
自然に良くなることもありますが、長く放っておくと悪化し、およそ3割が本格的なぜんそくへと進んでしまいます。なるべく早めにアレルギーや呼吸器内科の専門医などを受診しましょう。
治療には主に炎症を抑える吸入ステロイド薬を使用し、これだけで治らない場合は、気管支拡張薬も併用します。場合にもよりますが、数日から1〜2週間で症状が改善することが多いようです。
ぜんそくの死者は国内で年間2,000人以上
では、咳ぜんそくを予防し悪化させないためのポイントを整理しましょう。
●風邪やインフルエンザに注意する
かぜやインフルエンザが咳ぜんそくの引き金になる場合が多いため、かぜの流行シーズンにはマスクの装着や手洗いとうがいを徹底しましょう。
●アレルゲン(※)を取り除く
気管のアレルギー反応を引き起こす原因となる花粉やダニ、ハウスダスト、カビ、ペットの毛などのアレルゲンを排除しましょう。布団や枕などの寝具を干したり、室内をこまめに掃除するようにしましょう。
※アレルゲン=アレルギー反応を引き起こす物質のこと
●喫煙・受動喫煙に気をつける
喫煙はもちろん、受動喫煙も咳ぜんそくを悪化させます。たばこの煙はなるべく避け、周囲の人にも禁煙や分煙を徹底してもらいましょう。
●温度変化に注意する
急激な気温の変化は、咳ぜんそくの発作を招きます。エアコンを使う場合は、室外との温度差を大きくしすぎないようにしましょう。また春や秋は服装による温度調節を心掛けましょう。
他にも、バランスの良い食生活や、過度なストレスを避けること、十分な睡眠、適度な運度なども大切です。
「咳で命を落とすことはない」と思っている人も少なくないようですが、ぜんそくに関しては現在、国内で年間およそ2,000人もの方が命を落としています。
咳ぜんそくを悪化させてぜんそくになることのないよう、十分注意したいですね。
<監修>
岡本良平(医学博士 東京医科歯科大学名誉教授)
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