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背景には、同性の両親との関係性?
必ずしも愉快犯についてではありませんが、多くの犯罪者と接見した精神科医の福島章は同性の両親に大切にされなかったという思いが犯罪傾向に影響しているという印象を語ってもいます。
愉快犯と呼ばれる人々にも同様に親子関係の問題があるのかもしれません。
しかし、愉快犯の問題はその親を非難することで済ませるべきではないでしょう。
親に愛されなかったと感じている人でも、学校生活で他の大人や友人に大切にされることで「仲良くしたい」を大切にできるようになることのほうが多いのです。
実は親との間で作られた人との不信感は、学校生活が良いものだったら癒されます。
しかし、学校生活で教師や同級生との人づきあいがうまくいかないと不信感が拡大されます。
教育現場の一部には家庭の教育力に問題を帰属する考え方もあるようです。
ですが、社会も多様化する中で親の人生も子どものストレスも多様化しています。「仲良くしたい」を放棄させない心の教育を家庭と学校が連携して考える必要があるのではないでしょうか。
<執筆者プロフィール>
杉山崇
神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科 教授
心理相談センター所長・教育支援センター副所長
臨床心理士・一級キャリアコンサルティング技能士
公益社団法人日本心理学会代議員
主な著書
好評発売中『入門!産業社会心理学』(北樹出版)
2015年9月『読むだけで、人づきあいがうまくなる(仮)』(サンマーク出版)発売予定。
公式サイトはこちら⇒ http://www.sugys-lab.com/
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