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障害年金受給の条件 :申請の過程で症状が悪化!?
「うつ」で会社を休みがちになっていたKさん(仮名・26歳女性)の場合は、障害年金の手続きをするなかで、「うつ」の症状が悪化してしまいました。
Kさんは、インターネットを通じてたまたま障害年金のことを知り、もし障害年金を受給できるなら会社を休職または退職して、「うつ」の療養に専念できるかもしれないと考えたのです。しかし、Kさんのそうした期待は、病院と年金事務所で二重に打ち砕かれてしまいました。
Kさんは、まずかかりつけのクリニックの医師に障害年金を申請したいと相談したのですが、医師はKさんの申し出に対して「あなたの症状は、障害年金を受けるには軽すぎるので無理だろう」とキッパリ言いました。
それでもあきらめきれないKさんは、今度は年金事務所に相談に行きました。
Kさんは年金事務所の窓口で、「うつ」で通院していることや、会社を休みがちになっていることを伝え、障害年金を申請したいと伝えました。
すると、年金事務所の担当者は、「障害年金はあなたのような軽症の人が受給するものではありません」と、強い口調でKさんに言いました。
さらに担当者は、「そんな症状でウチに来られても困る」「お門違いだ」などと、怒ったような口調でKさんにキツい言葉を浴びせかけたそうです。
この件で心身ともにダメージを受けたKさんは、この日をきっかけに「うつ」を悪化させてしまい、しばらくして会社を休職することになってしまいました。
そして、皮肉なことにKさんは、症状の悪化によってやがて障害年金を受給できるようになったのでした。
障害年金受給の条件 :医師との連携が大切
障害年金の申請には、医師や社労士、年金事務所とのやり取りがつきものですが、なかでも医師との連携は特に大切です。医師の診断が障害等級の判定に極めて重要となるため、かかりつけの医師が「障害年金の申請に対してどう考えているのか」を確認し、医師が否定的な場合には医療機関の変更が必要なケースもあります。
また、Kさんのように「障害年金の手続きがストレスになる」といった事態を避けるためにも、事前に「受給条件」については十分な下調べをおこない、「自分は受給する資格があるのか?」ということについては、冷静に判断しておく必要があるといえるでしょう。
(【障害年金:その3】につづく)
※文中のエピソードは実話をもとに構成していますが、個人情報の観点から実在の人物・団体の明記を避けています。
<監修者プロフィール>
石村衛(いしむら・まもる)
FP事務所:ライフパートナーオフィス代表ファイナンシャルプランニング1級技能士(CFP) 東洋大学卒業 メーカー勤務の後、FP事務所:ライフパートナーオフィスを横浜市戸塚区に開設。地域に根ざしたFP活動を志向し、住宅ローン、不動産・証券投資、保険、貯蓄・など一般家庭のお金にまつわる様々なアドバイスを行っている。 お金に係わる出前授業を小・中・高校で実施。また、高等学校の保護者会などで進学費用や奨学金・教育ローンの講演多数。東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザーとして活動中。
<執筆者プロフィール>
井澤佑治(いざわ・ゆうじ) 舞踏家/ダンサー。通販メーカーのコピーライターとして、健康食品などの広告を数多く手がけたのちに、ダンサーとして独立。国内外で公演やワークショップ活動を展開しつつ、身体操作や食事療法などさまざまな心身の健康法を探究する。現在はダンスを切り口に、高齢者への体操指導、障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などにも携わっている。
<参考資料>
障害年金について 日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=3225
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