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子どもとの家庭内ルール (2)
「メールはすべて親に見せる」という家庭も
また、この調査で、子どもの「友だち付き合いにおいて悩みや課題を抱えている」と回答した人は全体の約2割(19.5%)。具体的な悩みでもっとも多かったのは「いじめ」に関するものでしたが、「子どもがLINEをはじめた」など、携帯電話やスマートフォン、SNSに関連した悩みもあげられていました。
同アンケートによると、約3割(29.3%)の家庭が、こうした子どもの友だち付き合いにおける「ルール」を決めているとのこと。もっとも多くの家庭で決められていたルールは「金銭・モノの貸し借りはしない」で、次に多かったのが「門限を守る」でした。また、なかには、「友だちとやりとりしたメールはすべて親に見せる」「コミュニティサイトにおける人付き合い禁止」といったルールを決めている家庭もありました。
子どもとの家庭内ルール (3)
門限は何時にすればいいの?
上記の家庭内ルールでも多かった「門限」ですが、これは子どもの年齢などによって、さまざまな時間が設定されるもの(もちろん「門限がない」という家庭もあります)。また、親の仕事の都合などによって、門限を決めても、子どもが守っているかどうかを確認しづらいケースもあることでしょう。
たとえば、青少年に「深夜の外出制限」を設けている佐賀県の例では、午後11時~午前4時を「深夜」とみなし、保護者に子どもを外出させないように要請するとともに、ゲームセンターやカラオケボックス、インターネットカフェなどの施設側にも、青少年を立ち入らせないように指導しています。また、施設ごとに未成年の立ち入り可能時間を設定し、たとえば「16歳未満は18時以降はゲームセンターには入れない」といった対策を実施しているとのことです。
ただし、終夜営業のコンビニエンスストアやファミリーレストランはこうした「立ち入り制限」の対象となっていないため、深夜に出歩く子どもたちにとって行く場所がなくなるわけではありません。また、たとえこうした施設を規制の対象としても、公園や路上など、子どもたちが深夜に徘徊できる場所はいたるところにあるのです。
核家族化が進み、「家族の誰かがつねに子どもを見ている」といった状態が難しくなりつつある現在において、大人たちには、家庭や学校で「夜間の外出は危険」であるということを子どもにしっかりと教えることや、地域などの共同体で子どもたちを見守る取り組みが求められているといえるでしょう。
<執筆者プロフィール>
井澤佑治(いざわ・ゆうじ) 舞踏家/ダンサー。通販メーカーのコピーライターとして、健康食品などの広告を数多く手がけたのちに、ダンサーとして独立。国内外で公演やワークショップ活動を展開しつつ、身体操作や食事療法などさまざまな心身の健康法を探究する。現在はダンスを切り口に、高齢者への体操指導、障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などにも携わっている。
<参考>
http://corporate.o-uccino.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2014/11/pr20141126_tomodachidukiai.pdf
(オウチーノ総研 子どもの「友だち付き合い」実態調査)
https://www.pref.saga.lg.jp/web/var/rev0/0130/9923/201372592328.pdf
(青少年の深夜外出制限 佐賀県)
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