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骨折の種類
まず、 骨折の種類 を確認しておきましょう。
皮膚の外傷を伴わない一般的な骨折は「単純骨折」です。捻挫などで、靭帯や筋肉に付着した骨が引きはがされてしまうのが「剥離骨折」。長距離走などで繰り返し骨に外力が加わって亀裂(ひび)が生じることを「疲労骨折」といいます。
「複雑骨折」とは、皮膚損傷を伴う骨折のことです。よく誤解されるように、「複雑な折れ方をするから複雑骨折」というわけではありません。複雑骨折とは、折れた骨が皮下組織を傷つけ、皮膚を破って外に出てしまっている状態を指します。
そして、「複合骨折」ですが、これは1本の骨がさまざまな方向に折れてしまっている状態。骨には、骨折で生じた線が複数の方向に走っています。つまり、複雑な骨折の仕方をします。「複雑骨折」という言葉からイメージされる状態は、実際には「複合骨折」に近いのかもしれません。
骨折の種類 :骨の修復には刺激も必要
骨折の治療は、折れた骨の位置を元の正常な状態に整復し、ギプスなどで固定するのが基本です。その際、全く刺激がない場合よりも、わずかな刺激が加わる場合の方が骨の修復が早く進むことが分かっています。例えば、松葉杖を使って歩くときは、折れた側の足を完全に宙に浮かせるのではなく、軽く地面につけながら歩いた方が治りが早いと考えられます。少し専門的な表現では、「機械的刺激による骨癒合促進」という言い方をします。
機械的な刺激を超音波を使って意図的に作り出すのが超音波骨折治療法です。超音波の刺激によって、骨の成長を高める因子が多く分泌され、骨の癒合が促進されると考えられています。同療法では骨の整復・固定の後、皮膚の上から通常の超音波検査に使われるものと同程度の低出力の超音波を照射します。日本の場合、複雑骨折などで手術を行った場合や、骨折後3か月以上たっても治癒が遅い難治性の骨折など、条件次第では保険適用で受けることができます。また、保険適用とならない場合でも、自由診療(全額自己負担)でこの治療を受けることができます。
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