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意識高い系 :自己価値をアピールすることで「無価値観」と戦う
原因は「巣立ちの病」という文脈で考えるとわかりやすいと思います。
就活は学生という守られた立場から卒業して、社会に巣立つイベントです。
社会のこともよくわからないし、そこで自分が通用するか、何ができるかもわかりません。
多くの就活生はその「わからない」怖さと向き合いながら奮闘しています。
うつうつと苦悩する人、怖さに泣き出す人もいますが、社会に巣立つプロセスで悩みこむのが「巣立ちの病」です。
「巣立ちの病」は社会に出て、自分に出来ることが見つかる中で克服するものですが、時間か必要なので苦しいです。
そこで、意識高い系のような苦痛のやわらげ方をする人が現れるのです。
しかし、幻想にのめり込むことや自己価値のアピールに時間も労力も使うため、逆に自分に出来ることを見つけにくく、実績もできにくい傾向があります。
結果的にいつまでも巣立ちの病を克服できないことになります。
意識高い系を長く続けることはお勧めできません。
「 意識高い系 」の人との正しい付き合い方とは
「意識高い系」の人との日常のつきあい方としては「つきあわない」というコミュニケーションが最良です。
彼らにつきあうほど幻想を強化するだけです。
本人が自分の意識の高さと周囲からの扱われ方や自分の実績のギャップに違和感を持つようになると、改善のきっかけになります。
ただ、この気づきは苦しいものなので支援が必要です。
学生なら大学でキャリアコンサルタントらのサポートを受けられるので、就活をしていくなかで早めに気づいてほしいですね。
意識の高さを評価されて就職していることもありますが、社会人になってから気づいた場合でも友人や家族など誰かの支援もあるとスムーズに克服できるでしょう。
もちろん、臨床心理士など相談の専門家の援助も役に立つと思います。
<執筆者プロフィール>
杉山 崇
神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授。心理相談センター所長、教育支援センター副所長。臨床心理士、一級キャリアコンサルティング技能士、公益社団法人日本心理学会代議員。
公式サイトはこちら⇒ http://www.sugys-lab.com/
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