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脳脊髄液減少症の症状や治療法 :原因と症状
脳脊髄液減少症は、大きく分けると2つのタイプがあります。ひとつは、髄液の漏出がなく、脱水等で髄液の生成が低下してしまうタイプです。もうひとつは、髄液を包む硬膜に傷があり、髄液が漏出することで減少するタイプす。
後者は、交通事故やスポーツ外傷などが原因で硬膜に傷が入り、髄液が継続的に漏れ続けることで、激しい頭痛やさまざまな全身症状が生じます。ほかの原因としては、出産、脱水、転倒などがあり、原因不明のこともあります。
髄液が減少しているため脳が下垂しており、立ち上がると、頭蓋底部(頭蓋骨の下側)の硬膜に異常な圧が加わって、激しい頭痛が生じます。この頭痛は横になると軽くなるという特徴があります。
それ以外に、片頭痛、緊張型頭痛、全身倦怠感、めまい、吐き気、自律神経症状、脳神経症状(頭痛、言葉が出ない、臭いや味がわらないなど)、内分泌異常、免疫異常、睡眠障害など、その症状は多岐にわたります。問診や脳MRIなどの検査によって診断が下されます。
脳脊髄液減少症の症状や治療法 :どんな治療法があるの?
発症から1か月以内の急性期には、安静にして、1日1.5〜2Lの水分を摂取する保存療法がとられます。1か月以上の長期にわたって症状が続いている慢性期には、「ブラッドパッチ」と呼ばれる方法が採用されます。
ブラッドパッチは、正式には「硬膜外自家血注入療法」といい、髄液が漏出している付近に針を挿入して、その針から硬膜外腔に自分の血液を注入していくものです。注入した血液が広がり、固まって硬膜の穴を塞ぐ当て布(パッチ)の役割を果たします。
大人では、ブラッドパッチを2~3回行うことで約75%が、15歳以下では、1~2回位で90%以上が改善すると言われています。脳脊髄液減少症に対するブラッドパッチの有効性は、約75%程度で、一部には効果が見られない患者もいます。
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