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「依存」も、ポジティブな文脈ではほとんど使われることがない単語です。しかし本来、人に頼む、人を頼りにするという行為は大切なことです。依存しっぱなし、というのは問題ですし、逆にまったく人に頼むところがない、というのも難があるかもしれません。今回は、その間のちょうどいいところを確認してみます。
依存と自立の間とは
「依存」の反対の意味の言葉を探すと「自立」という単語が見つかります。依存と自立は、単純に裏表ということではないかもしれません。ここでは、依存と自立の関係について、2つの典型的なタイプから考えてみましょう。
例えば、うつ病を発症したCさんという人がいます。Cさんは、仕事を頑張りすぎ、何ごとも人に助けを求めずに、自分でなんとか処理しようというタイプでした。その姿勢は、「自立している」と見ることもできますが、「人に助けを求められない」という性格が裏目に出たとも言えます。「自分だけでは背負いきれないものを人にお願いする」ということは、私たちにとって大切な課題と言えるでしょう。
一方、タイプの違うDさんは、自分が担当する仕事をきちんとこなせておらず、人の手を借りて何とか形を整えているという状況です。Dさんは周囲の人から、「人に依存して、自分でやるべきこともできていない」と見られているようです。Dさんは個人的な悩みを抱えており、そのことが仕事の出来にも影響しているのですが、そんな内面的な苦しみは職場の人には想像しようもありません。Dさんにとって(=私たちにとって)大切なのは、未解決になっている過去や、内面の情緒的な問題に取り組み、「自立を手に入れる」ことかもしれません。
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