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妊娠による女性の心境変化 :母を実感できるまでの葛藤
お腹が大きくない頃、妊婦さんと話していると、「本当にお腹の中に赤ちゃんが居るのか、不安になる。全然実感がわかなくて焦る」という声を耳にします。
最初は笑っていますが、「でも、妊娠中なのよというと、あれこれ心配される。私より、周りの方が心配してくれている。こんな私って母親失格でしょうか?」「そう思うと突然泣けてきた」など、急に感情が乱れる場面に遭遇します。
「食事も気をつけなきゃ、運動もしなきゃ、きちんときちんと・・・!こんな私で本当にいいのだろうか。」など、妊娠による変化への不安はいっぱいです。
それでも5か月経って、赤ちゃんがお腹の中で動く感覚を味わうと、母親になる実感が出てきます。何しろ1つの身体の中に2つ心臓があることは、妊娠以外にないことですから。
そしていよいよ出産。赤ちゃんのうぶ声をきいたその顔は、安堵と同時に、もう母の顔になっているのです。
妊娠による女性の心境変化 :あいまいな可能性に直面する
妊娠経過は産科や助産院で辿ることになりますが、出産して産声をきくまで、誰も「あなたに五体満足な子が産まれますよ」とか「異常のない出産ができます」などと保障してくれません。「今は異常がありません」と言われるだけです。
何とあいまいな状態でしょう。でも、このあいまいさが女性を母親にし、強くしていきます。途中でとまどい悩み、ついには、しっかり産んで育てて行こうと覚悟を決めます。
そして、こういった経験が自分の意志というより、与えられた運命のように実感して、「ありのままに授かった命」に「守るべきものを守る」と強く感じていくのでしょう。
お相手の男性にも、ぜひ知っておいてほしいことですね。
●執筆者プロフィール:座波朝香(助産師)
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