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新しい兼業・副業のスタイル :「半農半X」は芸能人にも
一方、企業の外に出てみると「半農半X」という新しい兼業のカタチが注目を集めているようです。
「半農半X」とは、京都府綾部市在住の塩見直紀さんが提唱しているライフスタイルで、自分たちが食べる分の食料を小規模な自給農で賄い、畑仕事以外の時間を「X(=自分のやりたい仕事)」に費やすという働き方のこと。
「X」の部分には、ミュージシャンなどのアーティスト系や、イラストレーターなどのクリエイティブ職、介護や福祉の仕事などさまざまな職業が入りますが、なにも自営・独立系の人だけが「半農半X」を実践しているわけではなく、会社員をしながら早朝や休日を利用して畑仕事をしているといった人もみられます。
また、最近では故郷の熊本を拠点に自給自足の生活を送っている女優・タレントの井上晴美さんのように、「半農半X」のスタイルで芸能界の仕事をこなす人もいるようです。
新しい兼業・副業のスタイル :「これさえあれば」という安心感
これは実際に「半農半X」を実践している知人に聞いた話なのですが、畑をやって食料をある程度自給できていると、「お金がなくなっても、これ(畑)さえあれば死ぬことはない」という安心感がめばえてくるそうです。よく「畑仕事をしている高齢者は元気で長生き」といわれますが、長寿の背景にはこうした「安心感」の存在もあると考えられるのでは、ともその知人は言っていました。
私たちは日ごろ、「お金がなくなったら…」という不安と隣り合わせで生きていますが、「半農半X」はそうした不安に満ちた社会に、希望を灯すライフスタイルといえるのかもしれません。
<参考資料>
株式会社エンファクトリー 企業サイト
http://enfactory.co.jp/
<執筆者プロフィール>
井澤佑治(いざわ・ゆうじ)
コラムニスト、舞踏家/ダンサーとしての国内外での活動を経て、健康法・身体技法の研究、高齢者への体操指導、さまざまな障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などに携わる。
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