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執筆:Mocosuku編集部
監修:岡本 良平(医学博士、東京医科歯科大学名誉教授)
朝食を抜いて仕事へ出かけたり、残業で遅くなったものの何も食べずに満員の通勤電車で帰宅。
そんなとき、特に体調が悪いわけでもないのに急に全身の血の気が引いたようになり、冷や汗やめまいが生じてしゃがみ込んでしまう…。
こうした症状があった時、とくに女性の場合はまず貧血が疑われますが、血糖値が正常の範囲を超えて下がってしまう「低血糖」を起こしている可能性もあります。
低血糖とは、一体どのようなものなのでしょうか。
低血糖症とは?
血糖値とは、文字どおり血液中の糖分(ブドウ糖)の濃さをあらわしており、70~120mg/dlぐらいが一般的な正常値です。これが、60~70mg/dl以下に下がってしまった状態を低血糖といいますが、年齢・性別や体質、妊娠の有無などによって、基準値より血糖値が下がっても特に症状が出ない場合もあります。
一般的には、低血糖はおもに糖尿病患者が起こしやすい症状としてしられています。
これは、インスリン注射や血糖降下薬による治療を受けている人が、空腹時などに薬が効きすぎて、血糖値が下がりすぎてしまうことによるものです。
しかし、欠食などの偏った食生活、糖分の摂りすぎなどにより、健康な人や子どもでも低血糖を起こしやすくなっている人がいます。
これは、糖分を多く含むお菓子やジュースを摂る→急激に血糖値が上昇する→体が血糖値を下げるホルモンであるインスリンを分泌して血糖値を正常に戻そうとする、というサイクルによるものです。
これ自体は人体の正常な働きなのですが、多量の糖分を摂取して血糖値が急上昇→インスリンを分泌して血糖値を下げる、という反応をしょっちゅう繰り返していると、すい臟の働きが乱れ、なんでもないときにインスリンを分泌したり、少量の糖分に過剰反応してインスリンを必要以上に分泌するという事態が起こってきます。
これが、近年問題となっている低血糖症のメカニズムです。
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