(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
米国心臓学会議で、肥満の子どもにおいては、8歳という低年齢でも重大な心疾患の兆候を示すケースがあるという研究結果が発表されたそうです。
これは、調査対象となった肥満の子どもの4割に心筋の肥大がみられ、高い心臓病リスクが存在するとみなされたことによるもの。また、調査では肥満の子どもの中に、ぜんそく、高血圧症、抑うつ症などを患っているケースもあったことがあわせて報告されていました。
この研究チームは、「若年期の心臓障害は、成人期になるとより重症な疾患の発症や、早死にする確率の上昇につながる可能性がある」として警告を発しています。
ただひとくちに「子どもの肥満」といっても、その基準はいったいどれくらいなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
そもそも「子ども」の定義は?
子どもの肥満について、話をする前に「子ども」とは何歳までを指すのでしょうか。年齢でみてみましょう。
乳児
生後から1歳まで。とくに生後4週までを新生児という
幼児
1歳以上から小学校に入るまでの未就学児
児童
児童福祉法では18歳に満たない者をいう
それでは医療に関連するケースではどうでしょう。
小児科受診
明確な決まりがあるわけではない。通常15歳(中学生)位が目安になっているが、高校生でも大人でも問題はない。
市販薬
0歳~6歳は乳幼児、7歳~14歳が小児、15歳以上が大人となっている。
「子どもの肥満」の基準は?
子どもの肥満はおもに「肥満度」というものを使って評価します。肥満度は、標準体重に対して実測体重が「何%上回っているか」を示すもので、下記の式で計算されます。
●肥満度(%)=(実測体重kg−身長別標準体重kg)÷身長別標準体重kg×100
・乳児:この肥満度判定は使用しません。
・幼児:肥満度15%以上は太りぎみ、20%以上はやや太りすぎ、30%以上は太りすぎ
・学童:20%以上を軽度肥満、30%以上を中等度肥満、50%以上を高度肥満
より踏み込んだ指標として、厚生労働省が定める「小児期メタボリックシンドローム」の診断基準を紹介しましょう。
スポンサーリンク