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太もも前面のストレッチ
太もも前面のストレッチでターゲットとするのは、太ももの付け根にある「腸腰筋(ちょうようきん)」という筋肉です。
腸腰筋は、太ももを持ち上げる筋肉です。太ももの前面で腰の痛みがおこるのは意外に思われるかもしれません。しかし痛みやしびれには、関連痛(かれんつう)というものがあります。
関連痛とは、痛みやしびれの原因が、ほかの場所にまで及んでしまうことをいいます。
たとえば、心臓病で肩や背中に痛みを感じるのも関連痛のひとつです。
腸腰筋が柔軟性を失うと、背中、腰、お尻、太ももなどに痛み・しびれをおこすことがあると考えられています。
・Step1
四つん這いになります。
・Step2
右の膝を前に出し、左の脚は後ろに伸ばします。
※このとき右足は正座のように、(1)スネを床につけていても、あるいは(2)足の裏を床につけて踏み出すようにして膝を立てた姿勢でもかまいません〔写真では(1)を採用しています〕。左の脚の太ももの付け根前面が伸びるのを感じてください。
・Step3
Step2の状態で、ゆっくりと息を吸い、次にゆっくりと息を吐き脱力します。
・Step4
20~30秒を目安に左右ともおこないます。
「しびれ」という症状は主観的で、あいまいなもの
「しびれ」という症状は、とても主観的、あいまいなものです。
「ジンジン」「ビリビリ」などの自覚的な感覚で表現され、人によっては「ふるえ」や「痛み」も「しびれ」として訴えられることもあります。 伝え方がぼんやりしていると、診断が長引くことにもつながります。
難しいかもしれませんが、「しびれ」の内容は具体的に伝えることも大切です。
たとえば「正座のときのピリピリする感じ」「ムズムズして、虫が這うようなくすぐったい感じ」「剣山の上を歩いている様な感じ」「足が冷えるような感じ」といった具合です。
そして「しびれ」がからだの何処にあるのかを伝えます。
腰、背中の上の部分、手足の「どの部位に」ということを具体的に伝えるようにします。これによって診断がより正確になります。
またその他、しびれのほかに症状があれば、それも貴重な診断の材料になります。
【参考文献】
*嶋田智明・大峯三郎:これだけは知っておきたい腰痛の病態とその理学療法アプローチ(実践Mook理学療法プラクティス), 文光堂, 2008
*日本整形外科学会・日本腰痛学会(監):腰痛診療ガイドライン 2012, 南江堂, 2012
*厚生労働省資料2011年7月25日「治療と職業生活の両立等の支援手法の開発」のための事業(疾患案件名:腰痛)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000023wrx-att/2r98520000023x67.pdf 2017年2月10日閲覧)
<執筆者プロフィール>
森 ジュンヤ(もり・じゅんや)
理学療法士国家資格取得。急性期総合病院、回復期リハビリ専門病院、訪問看護ステーションにて臨床経験を経る(現在10年目)。専門分野は保健衛生分野。現在は医療関連記事、動物臨床医学、保健衛生学についての執筆を行う。
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