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慢性疲労症候群:慢性的な疲労とどう違う?
倦怠感や疲労感に伴い、次のような多様な症状が現れます。
- ・発熱
- ・リンパ節腫大
- ・のどの痛み
- ・頭痛
- ・筋肉痛や関節痛
- ・脱力感
- ・睡眠障害
- ・思考力の低下
- ・抑うつや不安
休息などによって症状が軽減される「慢性的な疲労」とは違い、慢性疲労症候群になると、上記の症状が長期間(診断基準では6カ月以上)にわたって継続し、日常生活や職業生活を送るのが困難になります。
ひどい場合には、寝たきりの状態になることもあります。
では、どうして慢性疲労症候群の症状が現れるのか、そのメカニズムについてみていきましょう。
慢性疲労症候群は脳や神経の機能異常
慢性疲労症候群は、脳や神経の異常と考えられています。
免疫力が低下してしまい、再活性化したウィルスから身体を守るために作られたサイトカイン(免疫細胞から作られるたんぱく質)が、脳や神経の機能異常を起こさせているのではないか、といわれているのです。
そして、免疫力低下に影響を与えていると考えられているのが、ストレスと遺伝的要因です。
ストレス
慢性疲労症候群の患者は、ライフイベントや人間関係によるストレスを感じやすいことがわかっています。
また、ストレスに対する感受性が高く、些細なことを気にしやすかったり、完璧主義の傾向があることも明らかになりました。
ほかにも、肉体的なストレス、紫外線や騒音といった物理的なストレス、農薬などの化学的ストレス、ウィルスへの感染といった生物学的ストレスも発症に関係していると考えられています。
遺伝的要因
これまでの研究によると、慢性疲労症候群患者と健常者では、気分を安定させる働きを持つ神経伝達物質「セロトニン」の代謝にかかわる遺伝子の型が異なることがわかりました。
この型の違いによって、ストレスへの感受性が高くなると考えられています。
こうしたストレスや遺伝的要因によって、免疫系や神経系、内分泌系に変調をきたし、脳や神経の機能異常が起こると考えらえているのです。
このようなメカニズムを見ても、慢性疲労症候群がただの疲労と違うことがわかりますね。
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