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慢性疲労症候群は治るの?
慢性慰労症候群の治療として、向精神薬(SSRI、抗うつ薬、抗不安薬など)や漢方薬などによる薬物療法、抗酸化療法(ビタミンCやコエンザイムQ10の投与など)、認知行動療法などの精神療法などが行われています。
ただ、治療法に関する研究も現在行われているところで、治療法が確立されていないのが現状です。
実際に、慢性疲労症候群患者の1/4分の方は、このような治療法の効果がみられずに、日中も起き上がることができずに、生活介護を必要とすることもあるようです。
今後の課題
これまでお伝えしてきたように、慢性疲労症候群は比較的新しい概念であり、明らかになっていないことも多々あります。
それに加えて、「慢性疲労症候群」という名前から、「疲れているだけ」などと誤解を受けやすいことも患者を苦しませる要因のひとつです。
呼び名に関しては、近年見直しが行われ、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」という名前が用いられるようになっていますが、まだ世間での認知度が低いのが現状です。
そのため、今後いっそうの研究が求められるとともに、正しい理解が進むことが今後の課題といえるでしょう。
【参考】
・『慢性疲労の陥るメカニズム,環境要因,遺伝的背景』(http://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/pdf/2008chiryoub.pdf)
・「慢性疲労症候群に対する治療法の開発と治療ガイドラインの作成」研究班 HP(http://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/index.html)
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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