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執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
あなたはエレベーターや満員電車など人ごみの中で、視線をどこに向けていますか?
エレベーターなら「階数表示ランプ」という答えが案外多いのではないでしょうか。
今、何時かを確認するために時計をしばしば見るのと同じように、今、どこにいるのかを確認するために「階数表示ランプ」を見るというのが自然の心理でしょう。
でも、他にも心理的理由があるかもしれません。
今回は一つずつ、その理由を紐解いていきましょう。
階数ランプを見る理由1:見当識
自分や自分が生活している状況を、客観的に正しくとらえる精神機能を「見当識(けんとうしき)」といいます。
現在の時間、今いる場所、自分自身の年齢や氏名、生年月日などが、見当識の身近な指標です。
近年、この見当識が障害されている状態に注目が集まっています。
精神疾患と認知症です。
どちらも、脳の機能が障害されていることに起因します。
ですから、見当識がしっかりしていることは、脳の機能が正常な健常者の基本のようなもので、通常、当たり前のように、また反射的に、私たちは見当識を確認しています。
時計を見て時間を確認したり、エレベーターで現在の階数を確認したりといったようにです。
ですから、エレベーターで階数ランプを見るのは、反射的な見当識の確認作業ということができるでしょう。
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